自然とのマリアージュ

樹木は長生き

一般的に言って、樹木は長生きです。私たちが日常生活を過ごしている都市部にも、樹齢100年を超えると思われる木々が少なくありません。40年、50年の樹木なんてざらに見かけます。

人にとって40年は結構な年月

40年。一言で言って、それは結構な年月です。内閣府の消費動向調査によると、昭和32年には7.8%の家庭にしか普及していなかった「白黒テレビ」が、同41年には94.4%。同年には0.3%の普及率だった「カラーテレビ」が昭和50年には90.3%にまで浸透。その後も、「テレビ画面の大型化」、「パソコンの低価格化」、「携帯電話の普及」、「スマホの定着」などが概ね10年前後で実現されました。
つまり、殆どの家庭で「テレビのなかった時代」が、約10年後には「テレビがあって当たり前(でも画面はモノトーン)」、さらに10年後には「カラーテレビが当たり前」。また、「電話は家の固定電話だけ」の時代が、約10年で「携帯電話を持っていて当たり前」、さらに10年後には「スマホが当たり前」。

樹木の成長はゆっくりめ

その間に、都市に癒しを与えてくれる街路樹も太く立派になりましたが、人の生活と比較すると本当にゆっくりとした変化です。60年前、その街路樹の下を歩いていた人の多くは「自宅にテレビがない人」。その10年後には「白黒テレビしかもっていない人」。その後も10年ひと昔で変化していき、今は「スマホが欠かせない人」がほとんど。

人々の変化を見続ける街路樹

この人々の変化を街路樹はずっと見続けてきたわけです。60年前、この木の下でプロポーズした青年が、今は介護施設でスマホを操作し、懐かしそうに街の景色を眺めているかもしれない。そして、もしかしたら、その高齢者(60年前の青年)の子供や孫が同じ木の下を歩いているのかもしれません。